おむすびと旅の思い出

こんにちは、にゃおむすびです🐾
旅に出るとき、ふと持っていきたくなるのが「おむすび」。手のひらサイズの小さなごはんですが、その中には不思議と“安心感”が詰まっています。車窓を眺めながら食べるおむすび、山頂でほおばるおむすび、海辺で風に吹かれながら味わうおむすび──どんな場所でも、ひと口食べるだけで心が落ち着くような気がしませんか?
昔からおむすびは「旅のおとも」として親しまれてきました。電車の駅弁がまだ珍しかった頃、人々は家で握ったおむすびを風呂敷に包んで出かけました。竹の皮や経木に包まれたその姿は、今のコンビニおにぎりにはない素朴なぬくもりがあります。包みを開けた瞬間に広がるお米の香りと、少ししっとりした海苔の感触──それだけで旅の疲れがふっと和らぎます。
おむすびが旅にぴったりなのは、手軽でありながら、どんな場所でも“ごはんを食べている”満足感があるから。おかずがなくても、具材ひとつでしっかりエネルギーを補えます。梅、昆布、鮭、たらこ──それぞれの味には、土地や家庭の個性が表れます。たとえば、北海道では鮭、九州では高菜、東北では味噌むすびなど、地域ごとの具材が旅先での楽しみをさらに広げてくれます。
旅先で出会うおむすびもまた、思い出の一部になります。山小屋で食べた温かい焼きむすび、道の駅で見つけた地元米の塩むすび、海辺の民宿で出された味噌おむすび──どれもその土地の風景と味が結びつき、記憶の中に残っていきます。「あのとき食べたおむすびが忘れられない」と思えるのは、単に味だけでなく、その瞬間の空気や気持ちが重なっているからでしょう。
また、旅先で誰かと分け合うおむすびにも特別な温かさがあります。友人とハイキングの途中で半分こしたり、家族でドライブ中にひとつずつ渡したり。おむすびは、自然と「分け合う」形をしている食べ物です。手のひらに収まるサイズだからこそ、気軽に差し出せて、笑顔も一緒に生まれます。
最近では、駅弁やサービスエリアのおむすびも個性的。地元の具材を使った創作おむすびや、玄米・雑穀米を使ったヘルシーなものなど、旅の途中で新しい味と出会えるのも楽しみのひとつです。旅をしながら各地のおむすびを食べ歩く──そんな“おむすび旅”も面白いかもしれませんね。
おむすびは、旅のはじまりにも、終わりにも似合う存在です。出発前に作るおむすびにはワクワクが詰まり、帰り道に食べるおむすびには「おつかれさま」の気持ちが込められます。どんなに遠くへ行っても、おむすびを食べると、なぜか“帰ってきた”ような安心感がある。
それはきっと、おむすびが私たちの心をいつもやさしく結んでくれているからかもしれません🍙

